平成24年10月の読書記録

2012年10月の読書メーター
読んだ本の数:4冊
読んだページ数:921ページ
ナイス数:30ナイス

頭の中がカユいんだ (集英社文庫 (な23-21))頭の中がカユいんだ (集英社文庫 (な23-21))感想
訃報を知って、初めて読んだ中島らも作品は「今夜、すベてのバーで 」だったと思う。結末を知ってから読む推理小説の様に、彼の最期は予測できる展開だったのかな、と感じてしまったことを思い出す。メジャーデビュー作であり、私小説的作品でもある本作でも予兆は十二分に感じられる。しかし、袋小路に通じる道だと解っていてさえ感じる、このミョウテケレンな明るさってのは何なんだ。
読了日:10月14日 著者:中島 らも
中島らもの明るい悩み相談室 (朝日文芸文庫)中島らもの明るい悩み相談室 (朝日文芸文庫)感想
新刊ではまとめて手に入らなかったので、ネット中古書店大人買いをして一気に読み進める所存。エンターテインメントの極北「ガダラの豚」や極私小説「頭の中がカユいんだ」など中島らも作品をつまみ食いして来たが、いよいよ本シリーズを読み始める時が来たようだ。
読了日:10月24日 著者:中島 らも
大学の話をしましょうか―最高学府のデバイスとポテンシャル (中公新書ラクレ)大学の話をしましょうか―最高学府のデバイスとポテンシャル (中公新書ラクレ)感想
森博嗣に対してのインタビューをまとめた新書。編者の質問と森博嗣の回答により成り立つ一冊。書中にて森博嗣が述べている通り、質問を考えることこそが難しいのだと逆説的に解ってしまう作りになっている。生きて行くためには執筆を含めた労働をしなくて良い立場になった森博嗣が、伝えたいことがあるために一気に書き上げてあえて上梓したという集英社新書シリーズとは違った成り立ちを感じた。
読了日:10月24日 著者:森 博嗣
中島らものもっと明るい悩み相談室 (朝日文芸文庫)中島らものもっと明るい悩み相談室 (朝日文芸文庫)感想
灘高卒といった学歴とは別の次元で、この人は「アタマの良いヒト」だったのだと感じた。知識も豊富だけれど、ネタと絡めて出すのでどこまでが本当の話か「朝日新聞の読者」には解らなくなってしまうのかもしれない。ミソジャガの一件は「DHMOという恐ろしい物質(http://ja.wikipedia.org/wiki/DHMO)」の話に相通じると感じた。これに読者がマジギレし、大騒ぎとなった顛末を含めて大ネタに化けた感じだ。掲載誌や対象読者を見誤ったのかとも思うが、案外そこまで考えてのネタ振りだったのかも(^^;
読了日:10月31日 著者:中島 らも

読書メーター

平成24年09月の読書記録

2012年9月の読書メーター
読んだ本の数:3冊
読んだページ数:1240ページ
ナイス数:12ナイス

蒲生邸事件 (文春文庫)蒲生邸事件 (文春文庫)感想
青春の挫折を描く小説家と思ったらSF。SFかと思ったら推理小説推理小説かと思ったら歴史の裏面を描く時代小説。最終的には全てを包括した「宮部みゆき」作品としか言えない一作になっていた。押し流され、押し潰されようとも、自分の人生を精一杯生きるべしという強いメッセージを感じたけれど、表立っては言い立てない匙加減も上手い。舞台も道具立ても異なるが「ブレイブ/ストーリー」と共通する底流かも。 平田一族は「常野」の方々かと思ったけれど、作者違いでした(^^;
読了日:9月2日 著者:宮部 みゆき
カラフル (文春文庫)カラフル (文春文庫)感想
自分も少年時代の自己規定が「絵描き」だったから、オチが読めるというかストーリーの流れを当然のモノとして受け入れていた。「絵柄は人柄」と言う言葉は、理屈ではなく体感する事実。
読了日:9月13日 著者:森 絵都
不完全性定理―数学的体系のあゆみ (ちくま学芸文庫)不完全性定理―数学的体系のあゆみ (ちくま学芸文庫)感想
論理的に思考すると言うことは、とても大変なことだと感じた。 数学は、そもそもの基本から論理だっているものだとばかり思い込んでいたので、超数学などの手法を用いて論理化しなければならないという基礎の基礎から解いて貰って、ようやく得心がいく部分もあった。見栄を張らずに、一読しただけの現在の状態は「なるほど、解らん」だけれど(^^;
読了日:9月23日 著者:野崎 昭弘

読書メーター

平成24年08月の読書記録

2012年8月の読書メーター
読んだ本の数:8冊
読んだページ数:1719ページ
ナイス数:17ナイス

臨機応答・変問自在 ―森助教授VS理系大学生 (集英社新書)臨機応答・変問自在 ―森助教授VS理系大学生 (集英社新書)感想
高校までで基礎教育を終了し、大学は研究への端緒であるという基本姿勢。問題を解決するために、何が問題となっているのかを明らかにし、問題解決のために適切な設問を作り上げる能力が必要。大学教員としては真っ当な意見だ。学生の質問する能力を育てる作業はTeachingではなくCoachingに近いのかと思うが、森博嗣の手法は外している。本書を成立させたのは編集者の力業が大きかったのかと感じた。いや、面白かったのですけれどね。
読了日:8月1日 著者:森 博嗣
臨機応答・変問自在 2 (集英社新書)臨機応答・変問自在 2 (集英社新書)感想
二匹目のドジョウを狙って外した感強し。 森博嗣は解ってやっているのかもしれないが、編集者に投げた感じがする。
読了日:8月2日 著者:森 博嗣
自分探しと楽しさについて (集英社新書)自分探しと楽しさについて (集英社新書)感想
森博嗣の芸風として、どう考えてもタイトル通りの内容ではなく逆説的なエッセイになっているはずだと先入観に凝り固まって読み始めた。思いっきりタイトル通りの素直な内容でドギマギしてしまった。人生のまとめに入ってしまったのですね。
読了日:8月9日 著者:森 博嗣
創るセンス 工作の思考 (集英社新書 531C)創るセンス 工作の思考 (集英社新書 531C)感想
あくまでも趣味の工作者としての森博嗣視点。指先でミクロン単位の工作を生業として続けている、街の職人さんへのインタビューとかと合わせて構成したら、とても良い工作論になったのではなかろうか。残念。
読了日:8月10日 著者:森 博嗣
戦闘妖精・雪風解析マニュアル戦闘妖精・雪風解析マニュアル感想
雪風シリーズ一気読み返しに伴って、本書にまで手を出してしまった。神林長平作品は言語と概念が重要なモティーフになることが多いので、なかなか画像化が困難と思うけれど、雪風シリーズの初めの部分は「魅せる」ことが比較的容易かもしれない。後半もこの調子でビジュアライズ出来るのかは疑問だけれど。
読了日:8月15日 著者:
レバレッジ・リーディングレバレッジ・リーディング感想
仕事が忙しくて、全く読書が出来ない時期に読み始めた。本書の中に述べられている通り、入浴している間に読み進めたりした。実用書の読み方としてはとても理にかなっている。何よりも前書きを読み込むだけで、本書の主張はほぼ網羅できてしまうという構成が潔い。 ただ、読みたい本は実用書だけではない。 噛み締めるようにして読みたい本もある。
読了日:8月25日 著者:本田 直之
薀蓄好きのための格闘噺薀蓄好きのための格闘噺感想
格闘技好きのための蘊蓄噺でした。 夢枕獏版の「プロレススーパースター列伝」が読みたいです。
読了日:8月28日 著者:夢枕 獏
小説家という職業 (集英社新書)小説家という職業 (集英社新書)感想
成功者が、成功した手法について徹底的に真面目に明かした一冊。本気で「小説家という職業」を目指したいなら、最低限キチンと押さえておくべき事柄が列挙されていると思う。ちゃんと理論的裏打ちもあるし、実際に作者が成功したという裏付けもある。現実的解法だ。
読了日:8月28日 著者:森 博嗣

読書メーター

平成24年06月の読書記録

6月の読書メーター
読んだ本の数:5冊
読んだページ数:1117ページ
ナイス数:22ナイス

自分探しと楽しさについて (集英社新書)自分探しと楽しさについて (集英社新書)
読了日:06月29日 著者:森 博嗣
臨機応答・変問自在 2 (集英社新書)臨機応答・変問自在 2 (集英社新書)
読了日:06月23日 著者:森 博嗣
臨機応答・変問自在 ―森助教授VS理系大学生 (集英社新書)臨機応答・変問自在 ―森助教授VS理系大学生 (集英社新書)
読了日:06月21日 著者:森 博嗣
レバレッジ・リーディングレバレッジ・リーディング
読了日:06月13日 著者:本田 直之
薀蓄好きのための格闘噺薀蓄好きのための格闘噺
読了日:06月09日 著者:夢枕 獏

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平成24年05月分の読書記録

5月の読書メーター
読んだ本の数:1冊
読んだページ数:953ページ
ナイス数:29ナイス

新世界より (講談社ノベルス キJ-) (講談社ノベルズ)新世界より (講談社ノベルス キJ-) (講談社ノベルズ)
この分厚さにもかかわらず、ほぼ一気読み。ただ、動画サイトで作者がバケネズミの外観について自作画像をわざわざ用意して説明していたことを思い出してしまった。ちゃんとハダカバケネズミの遺伝子操作で云々という説明を作中でしているにも関わらず、どうしても某ネズミーランドの主役を思い浮かべてしまう読者がいるためらしい。おかげで痛烈などんでん返しのシーンを読んでいても「中の人」的なことを思い浮かべてしまった.
読了日:05月01日 著者:貴志 祐介

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平成24年03月の読書記録

3月の読書メーター
読んだ本の数:24冊
読んだページ数:3796ページ
ナイス数:30ナイス

金田一温泉殺人事件 (講談社ノベルス)金田一温泉殺人事件 (講談社ノベルス)
この場所は、実際に行ったことがある(^^;
読了日:03月22日 著者:吉村 達也
蛇行する川のほとり (集英社文庫)蛇行する川のほとり (集英社文庫)
小説内に描かれている出来事も、登場人物たちが成長して行くにつれ、そのうちキラキラした青春の1ページに変わる。1つのエピソードとして織り込まれて行く。その瞬間の、その人の本質を一枚の絵として描き出してしまえるというのは、真摯に欲しい才能だ。
読了日:03月19日 著者:恩田 陸
黄昏の百合の骨 (講談社文庫)黄昏の百合の骨 (講談社文庫)
長大なピカレスクロマンの番外編という感じ。小物がそれと知らずに強大な悪に触れて自滅しちゃった感あり。
読了日:03月12日 著者:恩田 陸
長い長い殺人 (光文社文庫)長い長い殺人 (光文社文庫)
財布が語る物語。内容的には後の「模倣犯」に繋がる系譜。
読了日:03月06日 著者:宮部 みゆき
クラダルマ 全18巻完結(ヒットコミックス) [マーケットプレイス コミックセット]クラダルマ 全18巻完結(ヒットコミックス) [マーケットプレイス コミックセット]
読了日:03月06日 著者:柴田 昌弘
クラダルマ 3 (ヒットコミックス)クラダルマ 3 (ヒットコミックス)
読了日:03月06日 著者:柴田 昌弘
クラダルマ 2 (ヒットコミックス)クラダルマ 2 (ヒットコミックス)
読了日:03月06日 著者:柴田 昌弘
クラダルマ 1 (ヒットコミックス)クラダルマ 1 (ヒットコミックス)
読了日:03月06日 著者:柴田 昌弘
それでも町は廻っている 9 (ヤングキングコミックス)それでも町は廻っている 9 (ヤングキングコミックス)
読了日:03月05日 著者:石黒 正数
それでも町は廻っている 8 (ヤングキングコミックス)それでも町は廻っている 8 (ヤングキングコミックス)
読了日:03月05日 著者:石黒 正数
それでも町は廻っている 7 (ヤングキングコミックス)それでも町は廻っている 7 (ヤングキングコミックス)
読了日:03月05日 著者:石黒 正数
それでも町は廻っている 6 (ヤングキングコミックス)それでも町は廻っている 6 (ヤングキングコミックス)
読了日:03月05日 著者:石黒 正数
それでも町は廻っている 5 (ヤングキングコミックス)それでも町は廻っている 5 (ヤングキングコミックス)
読了日:03月05日 著者:石黒 正数
それでも町は廻っている 3 (ヤングキングコミックス)それでも町は廻っている 3 (ヤングキングコミックス)
読了日:03月05日 著者:石黒 正数
それでも町は廻っている 2 (ヤングキングコミックス)それでも町は廻っている 2 (ヤングキングコミックス)
読了日:03月05日 著者:石黒 正数
それでも町は廻っている 1 (ヤングキングコミックス)それでも町は廻っている 1 (ヤングキングコミックス)
読了日:03月05日 著者:石黒 正数
カムナガラ 8 (ヤングキングコミックス)カムナガラ 8 (ヤングキングコミックス)
読了日:03月05日 著者:やまむら はじめ
カムナガラ 1 (ヤングキングコミックス)カムナガラ 1 (ヤングキングコミックス)
読了日:03月05日 著者:やまむら はじめ
惑星のさみだれ 5 (ヤングキングコミックス)惑星のさみだれ 5 (ヤングキングコミックス)
読了日:03月05日 著者:水上 悟志
惑星のさみだれ 4 (ヤングキングコミックス)惑星のさみだれ 4 (ヤングキングコミックス)
読了日:03月05日 著者:水上 悟志
惑星のさみだれ 3 (ヤングキングコミックス)惑星のさみだれ 3 (ヤングキングコミックス)
読了日:03月05日 著者:水上 悟志
惑星のさみだれ 2 (ヤングキングコミックス)惑星のさみだれ 2 (ヤングキングコミックス)
読了日:03月05日 著者:水上 悟志
惑星のさみだれ 1 (ヤングキングコミックス)惑星のさみだれ 1 (ヤングキングコミックス)
読了日:03月05日 著者:水上 悟志
それでも町は廻っている 4 (ヤングキングコミックス)それでも町は廻っている 4 (ヤングキングコミックス)
読了日:03月04日 著者:石黒 正数

2012年3月の読書メーターまとめ詳細
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平成24年02月の読書記録

2月の読書メーター
読んだ本の数:6冊
読んだページ数:2208ページ
ナイス数:27ナイス

狐火の家 (角川文庫)狐火の家 (角川文庫)
タイトルからは「黒い家」系の匂いを感じたけれど、実は「硝子のハンマー」の続編でありました。解説子のおっしゃるような怖さは微塵も感じず、純粋に密室にまつわるパズル感覚で読み進めることが出来た。これは短編であるが故かまたは作者の意図的にか、犯人や被害者に関する掘り下げがほとんどなくステレオタイプな描き方をされているところが大きい。また、密室の謎が解けることが「誰がやったか」もしくは「何故やったか」の解明に直結しているストーリーになっているため、謎が解けた際のすっきり感も大きい。結構楽しく一気に読了しました。
読了日:02月01日 著者:貴志 祐介
きつねのはなし (新潮文庫)きつねのはなし (新潮文庫)
愛すべき「乙女」や「先輩」たちが住まうところと地続きだとはとても思えない「魔界」としての京都が妖しくも怪しく描き出される。確かに京都と聞いて思い浮かべるイメージの一端には、長い歴史に伴ってそこここにわだかまる闇もまた当然ある。明るくライトアップされ観光客がそぞろ歩く通りから、ひとつ折れて路地をたどっていくと「乙女」たちが歩いた不思議な裏道もあるし、本作で語られるような隘路に至る場合もある。全てを語りすぎない語り口も本作には良く似合っている。殊に「魔」の〆が鮮やか過ぎる。七尾美佳が勝ったと思うのだけれど。
読了日:02月03日 著者:森見 登美彦
中庭の出来事 (新潮文庫)中庭の出来事 (新潮文庫)
街中の、外壁に囲まれた、建物の、中庭の、その中で起こる出来事。 ちょうど「劇中「劇中「劇中「劇中」のこと」のこと」のこと」みたいに、小説の構造も、描かれる事件も、舞台劇を仕掛けとして入れ子構造になっている。更に全てを解き明かす存在だと目された人物さえ、最後の最後に「登場人物でしかない」と高々と歌い上げてしまう潔さ。恩田陸は侮れない。
読了日:02月10日 著者:恩田 陸
的を射る言葉 Gathering the Pointed Wits (講談社文庫)的を射る言葉 Gathering the Pointed Wits (講談社文庫)
ちょっと上の世代。マンガ描きから理系研究者になり准教授まで上り詰め、遊ぶための資金作りのためと称して小説を書き、売れっ子作家になってしまった森博嗣の全体像はなかなか掴みきれない。発想は理路整然としている癖に、わざと予想外の切り口を提示してくる。それはミステリの作法でもあるけれど、森博嗣の基本的発想パターンでもあるのかもしれない。膨大なWeb日記もつまみ食いするだけではなかなか全貌に迫れない。まずは本作から切り込んでみよう。と、思って購入したわけではありません。
読了日:02月13日 著者:森 博嗣
文庫版  妖怪の理 妖怪の檻 (角川文庫)文庫版 妖怪の理 妖怪の檻 (角川文庫)
後半に掲載された講演の内容を徹底的に学術的に突き詰めた論述書。言葉の定義から概念の詳細に切り込んでいく。手法としては丁寧に文献を読み込み、膨大な傍証を積み上げていくパターン。まさに京極堂が事件について調べ、真相を喝破していく姿に似ている。言葉は世に連れ人に連れ時々刻々変化していく。西尾維新の「物語」シリーズがアニメ化されヒットしてしまった現在、アニメでは具体的な事物として描かれてしまった「怪異」がモノとして捉えられてしまうのも致し方ない。本作で論証された「妖怪」がたどったのとまた同じ道筋。
読了日:02月24日 著者:京極 夏彦
オワスレモノ (光文社文庫)オワスレモノ (光文社文庫)
日常系ホラー。表題作や冒頭の一作などは禍々しい雰囲気満点の作品だけれど、そんな中に怪異を扱ってはいるものの「ほのぼの系」の作品が紛れ込んでいる辺り作者の曲者ぶりをうかがわせる。12月29日であんなに大ごとになるのだったら、02月29日生まれの人はどんな波瀾万丈なのでしょうか。
読了日:02月27日 著者:加門 七海

2012年2月の読書メーターまとめ詳細
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