2011年07月の読書記録

7月の読書メーター
読んだ本の数:8冊
読んだページ数:2783ページ
ナイス数:19ナイス

日本推理作家協会賞受賞作全集 75 (75) (双葉文庫 な 12-18)日本推理作家協会賞受賞作全集 75 (75) (双葉文庫 な 12-18)
やはりホームタウンデシジョンがあるのか、日本編ではバキリの恐ろしさ、得体の知れなさが急降下。舞台がアフリカのままだったら、最終決戦が軍隊蟻対住血吸虫になっていたかもしれない。抑制が効いた描写で寄生虫のくだりも伝聞もしくは記録を読んだだけなので、あまり生々しくなく拒否反応を示す読者は少ないだろう。文庫版解説は著者の娘さん。アル中のオヤジの娘さんということで、作中の教授とバナナのキジーツを重ねて読んでしまった。誤読。
読了日:07月26日 著者:中島 らも
日本推理作家協会賞受賞作全集 74 (74) (双葉文庫 な 12-17)日本推理作家協会賞受賞作全集 74 (74) (双葉文庫 な 12-17)
これは傑作。超能力や奇蹟と称するモノは全てマジックでも行うことが出来ると大上段に切って捨て、新興宗教や超能力少年のイカサマを暴き立てる。しかし、一方では高僧が「予知」をしていたり、超能力少年の力が甦ったりとイカサマならざる「力」の存在を仄めかしていく。下巻への期待が高まる間もなく一気読みしてしまった。
読了日:07月21日 著者:中島 らも
パズル・パレス 下 (角川文庫)パズル・パレス 下 (角川文庫)
早々に黒幕についての推理が当たりだったことが判明。ならば驚天動地の理由があるに違いないと淡い期待を抱くが、何とも狡い動機で残念感が募る。最後の手に汗握る攻防戦も鍵(パス・キー)があまりにも肩すかし過ぎる。まさしく「そんなに単純で良いのか?」だ。おまけに防壁が破られてしまっていては「漏れたのはわずかだ」では済まされない。少なくとも情報戦の専門家がそんな台詞を吐いてはいけないでしょう。
読了日:07月14日 著者:ダン・ブラウン
パズル・パレス 上 (角川文庫)パズル・パレス 上 (角川文庫)
荒削りで若いという印象。こいつが黒幕だろうと、早々にアタリがついてしまう。そして、きっと外れない。基本的に「天使と悪魔」や「ダビンチコード」と物語としてのほとんど構成は同じ。刺客に狙われて走り回る役と謎解きを担当する役が男女で別れている点を違いと捉えることは出来る。
読了日:07月11日 著者:ダン・ブラウン
女たちの遠い夏 (ちくま文庫)女たちの遠い夏 (ちくま文庫)
書かれていない部分がとても恐ろしい。万里子のトラウマになった子殺しの女は赤ん坊を水の中に浸けていた。万里子の母親、佐知子は「子猫を水の中に浸けて、じっと押さえた」のだ。語り手である悦子の足には良く縄が絡まる。悦子と万里子が最後に顔を合わせる場面では、悦子は縄を持っていることを語らない。万里子に「なぜ、そんなものを持ってるの」と尋ねられるまで、読者には縄を持って万里子に対峙している悦子の姿は伏せられている。そして、悦子の周囲では子供の絞殺事件が多数起き、悦子の長女である景子は縊死による最期を迎えている。
読了日:07月09日 著者:カズオ イシグロ
リスアニ!Vol.5.1「アイドルマスター」音楽大全 永久保存版 (Sony magazines ANNEX)リスアニ!Vol.5.1「アイドルマスター」音楽大全 永久保存版 (Sony magazines ANNEX)
マニア向けに良く練り込んだ内容になっている。すべての曲を押さえている訳ではないし、アイマス関連インタビューとしては珍しく釘宮さんを担ぎ出した割りにはミンゴスが抜けているなど、次への布石も抜かりない。アニメ版登場直前の予習復習には丁度良いムック。
読了日:07月09日 著者:
攻殻機動隊1.5 HUMAN ERROR PROCESSER (KCデラックス (2453))攻殻機動隊1.5 HUMAN ERROR PROCESSER (KCデラックス (2453))
枝葉の短篇、掌編が数本とイラストが少々。意外に目玉となるのが原作者自らアニメのために書き起こしたシノプス……と言うところか。一冊の本としては、とても雑多で「落ち穂拾い」的な印象が拭えない。まさに「1.5」としか呼称せざるを得ない内容。逆に士郎正宗フリークとしては手元に置かざるを得ない希少本かも。表紙イラストに少佐が描かれていないのは象徴的。
読了日:07月08日 著者:士郎 正宗
人形館の殺人 (講談社文庫)人形館の殺人 (講談社文庫)
この「トリック」は食傷気味。数多のバリエーションはあれど、読んでいるうちに気付いてしまうことが多く、興醒めとなることが多い。本作もシリーズ中の異色作ということで辛うじて許されているキライあり。人形が上手くいかされていないため、「人形館」である必然性を感じられない点も辛い評価になる。京極夏彦の剥製ばかりの館もやはり似たような評価になった。
読了日:07月04日 著者:綾辻 行人

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