2010年01月の読書記録

1月の読書メーター
読んだ本の数:6冊
読んだページ数:1446ページ

自由をつくる自在に生きる (集英社新書 520C)自由をつくる自在に生きる (集英社新書 520C)
ただの新書だったと言うのが第一印象。森博嗣作品やウェブ上で発表された日記の読者なら、既に良く知っている森博嗣的姿勢。正面切って詳細に解説されたことはなかったけれど、森博嗣はそんな感じでやってきたな、と。本人によって咀嚼され、森博嗣には珍しく人に伝えようと噛み砕いた言葉で順を追って繰り返し語られているので、分かりやすいことは確か。実に新書。正しく、ただの新書。本書の書かれた目的であり、正しく達成された目的なので、悪い意味ではない。ちゃんと新書だ。抜き書きした言葉の多さが、正しく目的が達成されていることを物語
読了日:01月04日 著者:森 博嗣
閉鎖病棟 (新潮文庫)閉鎖病棟 (新潮文庫)
入院中の患者たちはちょっと癖が強いけれど、それぞれ良いところもある人々として描写されている。むしろ、医者や兄弟姉妹といった健常者が悪役として描かれる。作中の描写から一歩引いて考えると入院の原因となったのは、一家惨殺だったり、自宅放火だったり、決して一般的に良い人が行うとは思えない事件だ。しかし、日々のエピソードを追って、患者たちを知った読者には、彼らを悪人だと考えることは難しい。患者は悪くない、病気が悪いのだという精神科医としての作者の訴えかけなのだろうか。作中でほとんど描写されない閉鎖病棟をタイトルに持
読了日:01月08日 著者:帚木 蓬生
エンブリオ (上) (集英社文庫)エンブリオ (上) (集英社文庫)
展開が早く、次々に夢のような医療行為が行われる。どれが適法でどれが違法なのか。どれが実際に一般的に可能な医療で、どれが夢のレベルの技術なのか。説明がないうちに次々と医療と事件が展開していく。犯罪については比較的ステレオタイプな人物造形のため、依頼した真犯人も実行犯も、動機や手口も明らか過ぎる。ただ、医療にまつわる事柄については、わからないまま話が展開していく。
読了日:01月13日 著者:帚木 蓬生
エンブリオ (下) (集英社文庫)エンブリオ (下) (集英社文庫)
患者本位、みんなが喜ぶ医療、といった理念はどう考えても正しい。正しい理念に基づいて、倫理的に灰色領域の医療行為に邁進していると言うことは分かる。灰色領域は時代により評価が変わってしまうので、現時点で許されざる行為だと断じることは出来ない。そのままでも良いかと思うのだけれど、スパイ小説じみた展開や色金にまつわる雑事から簡単に犯罪を犯してしまう人物像に押し込めてしまったのは安直に過ぎると思う。高邁な理念のままに世俗の欲を退けつつ、周囲を破滅させる人物を創出出来たら素晴らしかった。
読了日:01月22日 著者:帚木 蓬生
コンティニューvol.48コンティニューvol.48
入浴しながらちまちま読んだ。特集と銘打つにはボリューム不足。連載記事は小粒なものが多数あり。継続して購入する気はしないけど。
読了日:01月25日 著者:マクロスF,河森 正治,May'n,ラブプラス,滝本 竜彦,海猫沢 めろん,小島 アジコ,山本 寛,Perfume,仲村 みう,白井 ヴィンセント,みうら じゅん,川島 明,吉田 豪,田中 圭一,黄島 点心
扉は閉ざされたまま (祥伝社文庫)扉は閉ざされたまま (祥伝社文庫)
倒叙モノかつ密室モノ、と捉えたくなるが、既に作者の術中にはまっている。ちょっと特殊だけれど、これは安楽椅子探偵モノだ。当然ながら超絶的に賢い名探偵が登場する。当然、対峙する犯人役も賢いことになっている。賢いという設定故か、周囲の一般人たちと感覚が解離することが多い。当然、読者も一般人なので探偵と犯人の感覚、感情といった部分には納得が行かないことが多い。ところが、この納得が行かない部分こそが、殺人の動機であり密室を作成せざるを得なかった理由なのだからタチが悪い。犯行の動機と直結している密室の意味も、巻末の解
読了日:01月28日 著者:石持 浅海

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