2009年10月の読書記録

10月の読書メーター
読んだ本の数:7冊
読んだページ数:3331ページ

ナ・バ・テア (中公文庫)ナ・バ・テア (中公文庫)
再読。初読の際には「スカイ・クロラ」の続編だという思い込みに囚われていた。そのために見えていなかったことがたくさんあった。再読して初めて見えていなかったことに気が付いた。なるほど、本作が第一作だとすれば色々とつじつまが合う。伏線を張って、キルドレという設定を明らかにして、さらにティーチャとの一夜とこれに引き続く出来事でクサナギが「変わってしまう」展開。いちいち腑に落ちる。初読の際に次回作への伏線ではなく、前作に向けての逆伏線が沢山引いてある…と喝破した私はある意味慧眼であったのかも(^^; 後の作品はいか
読了日:10月29日 著者:森 博嗣
今夜はパラシュート博物館へ (講談社文庫)今夜はパラシュート博物館へ (講談社文庫)
再読。S&MシリーズやVシリーズの登場人物が「絡む」展開。なかなか楽しいファンサービスかと思っていたら、それすらも「トリック」という森博嗣パターン。「四季」を読んで時系列については理解していたはずだったのに、まんまと騙され続けていたのは建物の見取り図にデカデカと描かれていた名前にほくそ笑んでしまったから。気付いたつもりで騙される。与えられたデータは疑ってかかるし、いかにもの証言は嘘だろうという先入観がフィルタとしてかかる。しかし、自分で見つけ出した手がかりは信じてしまう。自分で見つけ出したと思わされている
読了日:10月26日 著者:森 博嗣
レタス・フライ (講談社文庫)レタス・フライ (講談社文庫)
短編+ショートショートショートショートについては,かなり思索的な作品が多くを占める。短編は長編シリーズの番外編的作品。「ラジオの似合う夜」で「難しい漢字と川」の彼の方向から見た「彼女」を見ることが出来て、ちょっとドキドキ。「刀之津診療所の怪」で作中の謎が綺麗に解けたのは、森博嗣作品にしては珍しいなと感じたのもわずかな期間。最後の一言で数年来(文庫版の刊行年で2004年3月から2009年3月なので丸五年)ずっとだまされ続けていたことにようやく気付いた。長編で丸々一冊このトリックがメインだったこともあるし、
読了日:10月24日 著者:森 博嗣
スカイ・イクリプス―Sky Eclipse (中公文庫)スカイ・イクリプス―Sky Eclipse (中公文庫)
短編集。そして、ヒント。 でも、優しくはないし易しくもない。 実は、忘れていたキャラクタもいる。 結局、「ナ・バ・テア」から読み返し「スカイ・クロラ」でフィニッシュしなければならないようだ。書庫から掘り起こしてくる作業が必要だな(^^;
読了日:10月22日 著者:森 博嗣
邪魅の雫 文庫版 (講談社文庫 き 39-13)邪魅の雫 文庫版 (講談社文庫 き 39-13)
京極夏彦を一気読了する快感が味わえる一冊。語り手が関口先生でなかったのが、リーダビリティ向上の最大の要因ではなかろうかと感じる。関口先生の目を通し、くどくどと語られると同じ内容でも噛み砕いて理解するのになかなか時間がかかってしまう。本作は登場人物の中でも比較的一般人に目線が近い青木、益田両名が主たる語り手だったのが幸いだったと思う。事件のあらましは隠すつもりもない様子で作中で露わに描かれている通り。問題は中心にいる彼女が誰なのかというただ一点のみに絞られる。これも中善寺や榎木津の動きを考えると分かってしま
読了日:10月17日 著者:京極 夏彦
クレィドゥ・ザ・スカイ―Cradle the Sky (中公文庫)クレィドゥ・ザ・スカイ―Cradle the Sky (中公文庫)
途中で「森博嗣のいつものやつ」だと気付く。 だまされたふりをして,最後まで淡々と読了。 なるほど、それで刊行順とは違った順番があり得るのだな。 番外編もあるようなので、うかつに総括はまだ行えないぞ。
読了日:10月16日 著者:森 博嗣
フラッタ・リンツ・ライフ―Flutter into Life (中公文庫)フラッタ・リンツ・ライフ―Flutter into Life (中公文庫)
タイトルの英語をカタカナに「丸める」手管で一番綺麗だったのは「ナバテア」かな。カタカナ→英語→画像と脳内変換されて、ストンと了解可能だった。同じ手法で作中の単語も丸められているけれど、キルドレはあからさま過ぎる。出産によって違う生き物に変わってしまうと言う流れは、四季にも通じる。ひょっとしたら本シリーズも字義通り四季に通じてしまうのかしらん。次の世代を生み出してしまったら、もう子供ではない…と前作に突っ込んだのも今は昔。本作であっけなく伏線回収。そんなことは引っ張るまでもなく当たり前のこと…と森博嗣が涼し
読了日:10月09日 著者:森 博嗣

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