2009年09月の読書記録

9月の読書メーター
読んだ本の数:9冊
読んだページ数:1770ページ

このミステリーがすごい! 2009年版このミステリーがすごい! 2009年版
文庫になったら買おう。 文庫にならなければ,図書館で借りよう。 そんな候補作が沢山。
読了日:09月04日 著者:
Boichi作品集HOTEL (モーニングKC)Boichi作品集HOTEL (モーニングKC)
ほとんど事前情報がないままに購入。てっきり現代劇かと誤解していたが、思いっきりのSFだった。表題作はストーリーの流れ自体はありふれているかな…と思って読み進めていたが、時間軸のスケールが異常。「SPIN」みたいな裏技なしに、正面から長大な時間経過を描いている。現在のコンピュータシステムの延長上にあるように見える「主人公」がいくらモジュールを入れ替えていると言っても、作中にあるような時間を乗り越えていけるものだろうか。そこがSFたる所以か。一見「萌え系」に見える眠れる美女の話は,何故か泣けなかった。ツボが違
読了日:09月05日 著者:Boichi
ブラッドハーレーの馬車 (Fx COMICS)ブラッドハーレーの馬車 (Fx COMICS)
エロ系だとは全く気付かずに読み切ってしまった。とても陰惨な話なのだけれど、西洋風の舞台、歴史物っぽい道具立てであまり生々しくならないように加減してある。その手管にまんまとはまって一気読了。もっと陰惨にすることも出来たはずだけれど、あっさりとした描写で流してしまった感もあり。掲載誌の絡みなのかな。寡聞にして本作しか知らないので、機会があれば他の作品にも目を通したい。
読了日:09月07日 著者:沙村 広明
ダーティペアの大復活 (ハヤカワ文庫 JA タ 1-9 ダーティペア・シリーズ 5)ダーティペアの大復活 (ハヤカワ文庫 JA タ 1-9 ダーティペア・シリーズ 5)
マンガだ、マンガ。どうせだったら、これくらいはっちゃけた方が良い。ただ、残念なことに悪役にイマイチ華がないし、巨大ロボットも中途半端な印象。もっと大風呂敷を広げても良かったのではないかな。ダーティーペアだったら、少年向けソノラマではないのでお色気も欲しかった。
読了日:09月08日 著者:高千穂 遥
ダーティペアの大征服 (ハヤカワ文庫 JA―ダーティペア・シリーズ (921))ダーティペアの大征服 (ハヤカワ文庫 JA―ダーティペア・シリーズ (921))
まさかの投げっ放し(^^; 読み終えてから続刊が出版されていたことに気付いた。書評をチェックしたが、結構散々な評価。とはいえ、読むのだろうけれど。いっそのこと、同時に文庫で刊行して欲しかった。
読了日:09月10日 著者:高千穂遙
敵は海賊・短篇版 (ハヤカワ文庫JA)敵は海賊・短篇版 (ハヤカワ文庫JA)
初出を見てびっくり。そんなに昔から連綿と続いていたのか。後書きを読んで、また納得。ある意味、「敵は海賊」こそが神林長平の本流。いつもながらにキャラクターは沢山出てくるけれど、敵も味方も中身はみんな神林長平。謎が出てきてもよってたかって解決に向かう際には,喋る口は違っていても、どんどん一点に向かって論理が展開していく。読者には異論を挟む権利は認められていない。ノリが一緒で転がっていける時はドライブがかかった感覚が得られて,非常に昂ぶった読書体験が得られるが、作者の論理に違和感を感じてしまうともう大変。いろい
読了日:09月17日 著者:神林 長平
南極1号伝説 ダッチワイフからラブドールまで-特殊用途愛玩人形の戦後史南極1号伝説 ダッチワイフからラブドールまで-特殊用途愛玩人形の戦後史
ネットでユーザ側の情報は覗き見る程度に閲覧したことがあった。一方の制作側の情報は全く初見で知らないことばかり。知らないセカイを覗くのは面白い。60万円の「人形遊び」ってのは結構想像がつかない世界なのだけれど、ちゃんとマーケットとして成り立っていると言うことは、それなりのボリュームがあるのだろう。アイドルマスタードリームクラブラブプラスといったバーチャルな「彼女」たちに時間を注ぎ込むこととの類似と差違についても考察を深めても面白いかもしれない。時代が進むと両者の統一さえありそうだ。
読了日:09月21日 著者:高月 靖
星守る犬星守る犬
おとうさんは自殺したのだ。 ハッピーをつきあわせるべきではなかったと思う。 続編で描くべきだったのは,その点であるべきだ。
読了日:09月24日 著者:村上 たかし
探偵伯爵と僕―His name is Earl (講談社文庫 も 28-38)探偵伯爵と僕―His name is Earl (講談社文庫 も 28-38)
子供向け企画に、これをいけしゃあしゃあと出してくるのが森博嗣。文庫版ではイラストが割愛されていたことに,ネット書評を読んでようやく気付いた。読書環境の制約で文庫版に限っているので、たまにこういった悔しいこともある。作品自体は語り手を子供に設定したこともあり、平易で読みやすい…と思える。そう思わせることも森博嗣の罠。少年の日常に訪れた謎と冒険…と、端的に本書を表したつもりの短文に既にミスディレクションが複数含まれている。ラストのどんでん返しは名前の方だと思って、だいぶ考え込んだ。
読了日:09月29日 著者:森 博嗣

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