2010年03月の読書記録

3月の読書メーター
読んだ本の数:2冊
読んだページ数:780ページ

隣の家の少女 (扶桑社ミステリー)隣の家の少女 (扶桑社ミステリー)
劇薬だとか最悪だとか煽り文句は物々しかったけれど、実際は拍子抜け。女子高生コンクリ殺人事件、虐待子殺しなど現実の「事件」の方がよっぽど残虐非道だ。何より、詰めが甘い。命を断つのはルースとしても、心を絶つという決定的な役割は主人公が果たすべきだったと思う。あくまで普通で、被害者側に立っていた主人公がが加害者に変貌することこそがキモだ。主人公に感情移入して、眉を顰めながらも読み進めていた読者を無理矢理、当事者として現場にひきづり出すのだ。これぞ毒薬。よっぽど破壊力が増したと思う。
読了日:03月05日 著者:ジャック ケッチャム
空の境界(上) (講談社文庫)空の境界(上) (講談社文庫)
文章が厨二だ、と言うのが第一印象。某ベストセラー作家の不自由な日本語に通じるモノを感じる。ついて行けない、読みにくいという感覚がつきまとい、世界に没入することを妨げる。現実と異なった世界を描くのであればなおのこと、淡々と「普通の文章」で記述するべきだと思う。逆に淡々と現実の世界を描く純文学は外連味たっぷりの文章表現に走ればよい。外連味たっぷりの文章で、現実から解離した世界を描かれても、おいそれとは飛んでいけない、のだよ。
読了日:03月25日 著者:奈須 きのこ

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