2009年04月の読書記録

4月の読書メーター
読んだ本の数:4冊
読んだページ数:1882ページ

フェルマーの最終定理 (新潮文庫)フェルマーの最終定理 (新潮文庫)
ドキュメンタリーとして面白い。 ただ、まだ証明されたのが信じられないのだけれど。 解かれないまま永遠の挑戦目標であって欲しかった。
読了日:04月23日 著者:サイモン シン
無痛 (幻冬舎文庫 く 7-4)無痛 (幻冬舎文庫 く 7-4)
前ニ作「廃用身」「破裂」と期待以上だったので、本作には若干過大な期待をしていたのかもしれない。医療ミステリとして面白いことは面白かったのだけれど、肩透かし感も強かった。障害少女や敵役医師の伏線は未回収だと感じるし、「犯人」の怪物っぷりも中途半端だ。ネタばれするタイミングも微妙で、なんとなく歯がゆい。ヒロインの別れた夫を犯人と思わせるミスディレクションで引っ張って、いや…そんなはずはないと主人公が気付く地点から一気呵成に展開させても良いし、逆に最初から異形の怪物として登場しても良かったかと思う。中途半端な時
読了日:04月17日 著者:久坂部 羊
時の“風”に吹かれて (光文社文庫)時の“風”に吹かれて (光文社文庫)
カジシン節として一方の柱たる「エマノン」や「美亜に贈る真珠」のようなリリカルな作品もあるけれど、力ずくの馬鹿作品も多い。表題作はリリカル系。口裂け女を「」にしてしまうのは本当に力業だ。けれど、実は力ずくで読後感が妙にリリカル系にされてしまう。技ありの一作と感じた。
読了日:04月09日 著者:梶尾 真治
第九の日 (光文社文庫)第九の日 (光文社文庫)
ロボットのケンイチ視点で小説を書いている人物が、どんどん身体置換されて、どんどんロボットに近づいていくという流れ。フランシーヌのたどった道に類似している。ケンイチ視点で書かれた小説と同じことをケンイチが考えているとは言えないが、考えていないとも言えない。ロボット論、他者の心の推定、小説という手技など多数の理論とテクニックが入れ子になって、読者の思考を翻弄する。アシモフの流れをくむロボット推理小説として読むことも可能だけれど、ついつい深読みしてしまう。
読了日:04月04日 著者:瀬名 秀明

読書メーター